Relight

2024年03月03日 インタビュー

お悩みno.2:毒家族から逃げてきた高田さん

クリスマス当日。
街中が浮かれている寒い日にも、お悩み買取のご予約が1件。

面談予約時間になると、大きな荷物を持った女性がオフィスにご来社されました。

なんだかすでに疲れているご様子なので、早速お話を聞いてみることに。

新宿駅構内で野宿をしていた

市川:
はじめまして。まずお名前とご年齢を教えていただけますか?

高田:
高田(仮名)、26歳です。よろしくお願いします。

市川:
高田さんですね、ありがとうございます。今日はどこから来ましたか?

高田:
面談予約をした金曜日の時点では新宿のネットカフェで、土日は新宿駅構内で野宿してました。

※インタビューは月曜日に実施

市川:
え、駅構内?それは寒かったですね…そもそも新宿駅構内に女性が寝れるところってあります?駅員さんも結構巡回してますよね。

高田:
寝るところはないんですけど、南改札のところって24時間開いているんです。そこでちょっと待ちつつ、人が近づいてきたら近くのドンキの方に行ったり、ちょっとずつ動いてました。

新宿駅南口周辺

市川:
全然休めないですね…ということはと路上に出て2、3日くらいかな。ネットカフェには合計何日くらい泊まっていたんですか?

高田:
3泊くらいですかね。家を飛び出した時点で所持金が少なくてギリギリでした。
なので生活のこともご相談できればと思っています。
 

「女の子だからダメ。」複雑な祖母との関係

市川:
家を出てきたんですね。ご実家にいたんですか?

高田:
そうです、千葉にある実家に住んでました。

市川:
家出しちゃったという感じでしょうか?

高田:
はい、もともと実家があまり良い環境ではなくて。両親が離婚して、父方の祖父母の家に住んでたんですけど、祖母が今で言う毒親に近い感じでした。

市川:厳しい方なんですか?

高田:
んー、言える範囲だと、怒られる時に手が出て、例えばリモコンとかで叩かれたりとかしていました。

市川:
物を使ってくるんですね…怖い。

高田:
そうです、酷い時は、物を投げつけられたりもしました。あとは外出制限とかですね。私には兄がいるんですが、「兄は男の子だから、県外に外出してもいい」というルールだったんですけど、私の場合は、「卒業するまで県外はもってのほか、市外にも出ちゃいけない」っていう謎ルールがありました。

以前、高校の授業で「県外の大学のオープンキャンパスに行ってきてください」っていう課題が出されて、先生も間に入ってくれたんですけど、それも全部だめでした。

市川:
謎過ぎますね…なんでそんなに縛っていたんですかね?

高田:
「女の子だから遠くに行っちゃうと危ない」っていう感じなんですよ。でも卒業すると、今度は一気に「もう何でもいいよ」って全部放り出されたっていう感じで。

高校受験のときは「私立は絶対受けさせない、公立一択」っていう感じでした。大学もだめで、「絶対就職して」って言われてたんですけど、就職が決まった途端に、「言ってくれれば大学に通わせたのに」みたいな感じで……。

市川:
「大学はだめって言ってたじゃん!」っていう気持ちになりますね。

高田:
祖母本人はもう認知症が入ってしまっているので、昔自分がやったことはもう忘れちゃってるみたいです。

市川:
じゃあ基準があったのか、気まぐれだったのかもよく分からないんですね。

高田:
たぶん基準があったんだと思うんですけどね。兄はちょっと発達障害気味で叱るとキレてしまうので、祖母は兄に強く言えなくって。祖母は私にだけ厳しい感じでした。

市川:
そういう扱いの差が苦しくなって、急に飛び出しちゃったんですか?

高田:
はい。一応、手紙は残してきたんですけど、もう縁を切る覚悟なので帰りません。

市川:
手紙を残してきたんですね。ご両親は離婚されたとのことですが、どちらとも連絡取ってないんですか?

高田:
実は、一緒に祖父母の家に住んでた父も、数年前に家を出ちゃって、それ以降は……。

市川:
蒸発した?

高田:
それに近いですね。一応親戚の家に住んでるっていうのは聞いてるんですけど、連絡は取ってないです。あと昔は父からも殴られていました。

市川:
手が出てしまう家系…。周りはそういうことを知っていたんですか?

高田:
祖母は外面だけはすごい良かったので、周りの人は多分ほとんど知らなかったと思います。
叔母は知ってたかもしれないんですけど、「自分も叩かれて育ったから」みたいな感じでした。

市川:
実家がそういう環境だと心休まらなくてしんどかったんですね。 

退職代行を使うほど、ブラックな職場

市川:
先ほど「高校を卒業後、就職した」と教えていただきましたが、その時はどんな仕事をしていたんですか?

高田:
特別養護老人ホームで介護の仕事をしてました。

介護のお仕事(イメージ)

市川:
どのくらいされていたんですか?

高田:
2年半です。介護士の資格を取るには3年実務経験が必要なので、経験を積んでから試験を受けるんですけど、その前に辞めちゃいました。

市川:
そうだったんですね…職場で何かあったんですか?人間関係とか?

高田:
体力勝負のブラックな環境だったのと、パワハラ・セクハラ・モラハラなどなんでもありの職場でした。

勤務初日に施設がオープンしたんですけど、人が足りていないせいか、私は高卒で何も知らない状態なのにベテランの人達と比較されて。

「なんで若いのに早く覚えられないの?」みたいに強く言われたり、仕事を教えてもらえなかったり、いじめにも遭いました。

そんな環境だったので、辞めたいと施設の人に言ったんですけどなかなか辞めさせてもらえなくて。
なんとか交渉して正社員からアルバイトに変更してもらいました。

でも「人が足りないからちょっと手伝って」みたいな感じで、週5フルタイムで全部早番のシフトをお願いされていました。

市川:
ん、それは、ただ単に雇用形態が変わっただけでは…?

高田:
本当にそうです。
しんどい日が続いたある日、起き上がれなくなっちゃって、最終的に退職代行を使ったんです。

市川:
ついに仕事に行けなくなっちゃったんですね…。

高田:
もともと離職率が高い職場で、1ヶ月に2、3人辞めちゃうみたいな感じでした。新しい人が入ってもまたすぐ辞めちゃうっていうのが度々あって。
人間関係もあまり良くなかったので、パートさんと正社員が対立することも多かったです。

高齢の方の介護は嫌いではなかったんですけど、でもまたやりたいかって言われるとやりたくないです。

家族の介護と将来のこと

市川:
そんな仕事の経験をしてしまうと、トラウマになっちゃいますね…
あと、家ではおばあ様が認知症ということでしたよね。誰が介護していたんですか?
 
高田:
それも私がしてました。
近所に叔母が住んでいて、叔母は祖母の通院とかの運転はしてくれるんですけど、家のことは「仕事で介護やってたからあなたに任せる」みたいな感じで。
県外にいる叔父も同じで、「私がいるから大丈夫でしょう」みたいな感じでした。

周りからすると、祖母に育ててもらった恩返ししてるみたいな感じだと思うんですけど、私にとっては今でも祖母に恨みがあるし、もともと家から出たかったので複雑でした。

市川:
過去にされたことをリセットできないですよね。しかも仕事でやる介護と家でやる介護とは違いますよね。全然休めないですし。

高田:
そうそう、介護しなきゃいけない人とずっと家にいるので休めないんです。徘徊こそなかったんですが、認知症でこだわりが強くて大変でした。

市川:
お兄様は介護してました?

高田:
父が飛び出してから、兄と私と祖母と3人で暮らしてたんですけど、兄は無関心で、仕事から帰ったら部屋にこもっちゃうんです。

まあ、家のことを話すのは話すんですけど、 介護はしないって感じですね。

外出する時でも車いすを押すことはまずないです。
それは叔父も同じで手伝わず、私がやるのが当然みたいな雰囲気でした。

 
市川:
それは大変だ…。おばあ様が介護施設に入るという話は出なかったんですか?

高田:
なかったですね。一応歩けてるし、祖母自身も「家からは出たくない、施設に入りたくない」っていう拒否反応が強かったので。

市川:
そういう状況だと誰かしらに皺寄せがいっちゃいますよね。

高田: 
しかも厳しくされてきた人の介護を、なんで今やんなきゃいけないのみたいな気持ちもあって、もう疲れちゃって。
家を出る直前はニートの状態だったんですけど、「介護のために働かず家にいる」という暗黙の了解がある感じでした。

でもこのまま家にいちゃうと、祖母が亡くなるまでずっとこの状態になっちゃうのかなって…
 
市川:
仕事は今はしていないけど、介護をやってるから家にいることが許されてたんですかね。
ちなみに、最後に働いたのはどのぐらい前なんですか?

高田:
2年前です。
そのときは運送会社の通販とかの荷物を梱包したりする軽作業をしていました。
辞めた理由は仕事とは直接関係ないんですけど、骨折をしてそれが長引いてしまって。

あと、周りの人は残業していくんですけど、私は祖母の介護で残業ができないので、陰口を言われることもありました。
それで、骨折した時に、なかなか治らないことも重なって「もう辞めよう」って思って。

市川:
介護がネックになって仕事が思うようにできないし、将来を考えると不安になっちゃいますね。そういったことが重なって家出しようと思ったんですか?

高田:
テレビでも家出の話を見たり、ネットでも検索すると家出した人がいたり…。
ネットで「家出を計画するなら住み込みバイトにしろ」と書かれているのを目にして、調べたらここは女性の社長で話しやすいと思ったので相談しに来ました。

家出に至った心境

市川:
そうでしたか、来てくださってありがとうございます。
あっ、今って、実家にはお兄様とおばあ様が2人で住んでいるんでしょうか?

高田:
んー、多分。
祖母のことは叔母がするんじゃないですかね。 
兄も祖母も、私がいなくなったことは、置き手紙を見た段階で分かったと思います。

叔母の連絡先も、祖母の机の上に置いてきました。
「何かあったら連絡して」みたいな感じで。

市川:
色々あったけど、「私が家を出ちゃったら祖母は大丈夫かな」って考えたんですね。

高田:
んー…、そうですね。

市川:
そういう複雑な心境を吐き出せる頼れる人とか、お友達はいますか?

高田:
「いた」っていうのが正解です。

市川:
あれ、過去形なんですね。

高田:
過去形ですね。
もともと友達が少なかったんですが、唯一いた友達とも喧嘩して縁を切ってしまいました。
もうネットの子くらいしか、仲良い人はいませんね。

市川:
そうなんですね…ネットのお友達に相談はされたんですか?

高田:
相談してますね。ネットの子って親子関係があまり良くない子が多いので、こういう話をしても「へえ、そうなんだ…」って引かずに、ちゃんと聞いてくれるのがすごいありがたくて。

市川:
ネットとか関係なく、そういう存在がどこかにいてくれたら支えになりますね。
最後に、今って、いろんな悩みがあると思うんですけど、一番困ってることはなんですか?

高田:
お金が少ないことです。
お金が少しでもあれば、泊まれるし食べれるし。
この家出自体はもともと数か月前から計画してて、所持金が少なくても年内には出るって決めた上でやってはいたんですけど、お金がないとやっぱりつらいです。

 
※このインタビューは2024年12月末に実施

市川:
お金がなくても家出しようと思っていたんですね…。

高田:
このまま祖母が亡くなるまで介護だけの生活になるのかなと思うと、耐えられなかったんです…。
「とにかく家から逃げたい、一からやり直したい」という一心でここに来ました。

それが難しかったら、最終的な選択肢に死があったとしても受け入れようと思っています。

市川:
そういう追い詰められた状況の中、お越しいただいたんですね。
まずはお気持ちを教えてくださってありがとうございます。
それではいくつか選択肢をお出ししますので、どの選択肢が一番良いか、一緒に考えましょう。

高田さんの後日談

お悩み買取後、Relightからは下記の選択肢をお伝えしました。

①寮付きのお仕事紹介(いえとしごと
②役所に相談
③NPOに相談
コシツの物件提供はお手持ちが少ないため今回はなし)

もともと寮付きの仕事を希望されていたので、①を選択され、一緒にいくつかの候補から頑張れそうなお仕事を検討しました。

その結果、高田さんが選んだのは警備会社でのお仕事でした。

女性を積極的に採用している会社なので、先輩にも女性がいること。
そして、給与よりも、選考のスピード感と社宅にWi-Fiがついていることが決め手になりました。

早速、担当者の方に連絡をしたところ、その日の夕方にすぐ面接をしてくれることになり、会社まで向かうことに。
そして面接後すぐ採用、入寮することになりました!(ほんの数時間の出来事)

面接担当者曰く「採用すると伝えると高田さんは泣いてしまった。疲れていて、安堵したら感情が溢れてきてしまったようです。」とのこと。
こちらも一安心です…よかったよかった。

ちなみに、数週間後にこちらから取材記事の確認とお仕事は問題なくできているかの確認をしたところ、

高田さんから実際に届いたメール

仕事は問題なく続けられそうとのことでした。

慣れないお仕事で大変だと思いますが、また何かお困りのことがありましたら教えてくださいね。

この度はお悩みを買い取らせていただきまして、ありがとうございました!

おわりに

私たちRelightでは、サポーター様を募集しています!

この記事を読んで「Relightを応援したい」と思っていただいた方は、下記のページをご覧いただけますと幸いです。

>>「Relightサポーター」詳細ページ

一覧に戻る
みんなで
やり直せるを、あたりまえに。