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2024年04月15日 お悩み買い取り

お悩みno.7: 緊急連絡先・携帯電話・身分証なしの状態で仕事と家を失った森さん

家族との不仲で、緊急連絡先になってくれる人がいないという方からの相談が弊社にはたくさん寄せられます。

そこに追い打ちをかけるように、滞納などで携帯電話が使えなくなってしまったり、身分証をなくしてしまったりすると、家や仕事を見つけるハードルが一気に高くなります。

生活のお悩みを3,000円で買い取り、記事にすることで社会問題を発信するお悩み買い取りプロジェクト

今回、相談にいらっしゃった「森さん(仮名)」もその一人。

緊急連絡先・携帯電話・身分証なしの状態で仕事と家を失った20代の男性です。

お金がない。家がない。仕事がない。

──森さん、今日はどうぞよろしくお願い致します。

森:よろしくお願い致します

──今日はどちらからいらっしゃったんですか?

森:都内の職場の寮から来たんですけど、仕事を辞めることになって寮を出なければいけなくなりました。

──退寮が確定しているんですね。寮にはいつまでいられそうですか?

森:あまり長い期間はいられないですね。早く出ないといけないです。

──お金は今どのくらいありますか?

森:いやもう雀の涙もないです。
「お金がない。家がない。仕事がない。」という悩みで、こちらに来ました。

※画像はイメージです。

──だんだん焦ってきますよね。
ちなみに何のお仕事をされていたんですか?

森:ちゃんとしたところでいうとボーイですね。

──キャバクラのボーイさんですかね?

森:そうですね。ボーイを半年ぐらいしていました。1年前に上京してきたんですけど、その前も夜の仕事でした。

──夜の仕事を中心にしてきたんですね。なかなか大変じゃないですか?

森:そうですね。大変ですけど、上下関係がはっきりしていますし、歩合制でお給料をもらえたので、分かりやすくてよかったです。

──インセンティブがあるんですね。

森:基本的に完全歩合です。

結婚する予定だったので毎月30万円貯金していました

──今まで働いた中で一番長かったお仕事も夜のお仕事ですか?

森:昼の仕事が一番長くて、2年ぐらいやっていました。

──何のお仕事をされていたんですか?

森:飲食店ですね。正社員として働いていました。

※画像はイメージです。

──飲食店でのお仕事はどうでしたか?

森:大変でしたね。普通の飯屋だったんですけど、オープニングスタッフとして入社させてもらって、残業時間が100時間を超えない月がないくらい働きました。

──身体が心配なレベルですね。お給料はしっかりもらっていましたか?

森:月に50万円くらいもらっていました。
そこで1年ほど頑張りまして、新しい店舗を出す時に店長として任されるようになって。
でも店長って残業代が出ないじゃないですか。
店で寝て店で起きて働くような生活だったんですけど、割に合わないなと思いましたね。

──メンタルもやられてしまいそうですね。

森:当時はメンタルもやられていたかもしれませんね。
結婚する予定だったので毎月30万円貯金して、残りの20万円で家賃とかを払ったりしていたんですけど、「結婚はないな」と思って結婚も仕事もやめました。

※画像はイメージです。

「そもそも自分のこともできてない人間が人の世話をできるわけないな」って思います

──え??いろいろ聞きたいことが出てきたんですけど、まずはどうして「結婚はないな」と思ったんですか?

森:「ろくな親にならない」って自分でもよくわかってるんで、「結婚はないな」っていう結論になりました。

──どんなところが「結婚にはむいてないな」って思ったんですか?

森:世話とか嫌いですし。

市川:あはは。子どものお世話とかですかね?

森:そうですね。別に子どもが嫌いとかではないんですけど、人の世話全般が苦手なんで。
「そもそも自分のこともできてない人間が人の世話をできるわけないな」って思います。

※画像はイメージです。

──そんなことはないと思うけど…。これからは「一人で生きていこうかな」って考えているんですか?

森:結婚はないと思いますね。一緒に住むのはありですけど、籍を入れるのはちょっと…。

──結婚した方が緊急連絡先が増えるので、その点はおすすめですけどね(笑)

森:そうなんですね(笑)

──緊急連絡先は3親等以内ではないとNGが多くて、家を借りづらくなったり、仕事を探す時にもネックになったりするんですよね。
ご家族で緊急連絡先になってくれる方はいますか?

森:いないですね。

──例えば仕事中に倒れて手術が必要になっても会社さんはサインができないんですよ。
親族しか無理なので、もしもの場合に備えて緊急連絡先を控えておきたい会社さんもあるんですね
ご家族の連絡先も分からない状況ですか?

森:分からないです。

──連絡もとっていないし、連絡先も分からないんですね。ご家族とはずっと仲が良くないんですか?

森:そうですね。ずっといい感じではなくて、高校を卒業してすぐ家を出て、それから連絡は取ってないです。

──過干渉な親で悩むというケースもありますけど、森さんの場合は逆に干渉してこないタイプの親御さんですか?

森:完全に放任主義ですね。家を出た後、連絡は完全にないです。

──高校を卒業してからは、家族に頼らず自力で生活してきたんですね。

※画像はイメージです。

2年間で720万円近く貯めて、2か月で使い切りました

結婚のくだりに戻ると、結婚資金として毎月30万円貯金したっていうことでしたよね?

森:2年間で720万円近く貯めました。2か月で使い切りましたけど。

──一気に使いましたね!ある意味お金に固執してないんですね。

森:お金はあればあるだけ使いますし、なければないでそのレベルで生活しますね。食って寝る場所があれば20万ぐらいあれば十分かなと思います。

──いま所持金はもうほとんどないっていうことでしたね。

森:ないですね。アクティブな人生を送ってきたんで、1,000円もないです。

──今割と明るく話してくれていますけど、追い込まれてはいないですか?役所に相談には行きましたかね?

※画像はイメージです。

森:行ってはいないですね。LINE登録して話を聞いたことはあります。

──LINE相談で何て言われましたか?

森:「生活保護の相談に来てください」って言われました。生活保護を一回受けて、自分のダメな感じを直して仕事を探すっていう考えは分かるんですけど、できれば仕事が欲しいと言いますか。

──気持ち的にあまり生活保護に頼りたくないんですね。

森:そうですね。可能であれば。
生活保護は最後の手段みたいなイメージといいますか、右も左も動けない人が使うべきものといいますか。
「自分はまだなんとかなるかいけるかな」と思っているんで。

昼の仕事だと雇ってくれるところがない

──仕事をして自力で生活を立て直していきたいんですね。今後どうしていきたいと思っていますか?夜の仕事がいいとか昼の仕事がいいとか希望はありますか?

森:もうかなり遊んだし若くもないので、「夜の仕事はもういいかな」って感じなんですよ。ただ、昼の仕事だと雇ってくれるところがない…。

──もしかすると身分証とかが揃っていない状況ですか?

※画像はイメージです。

森:身分証もなくて、携帯もなくて。そうなってくると、やっぱり昼の仕事で雇ってもらえないですよね。そんな奴怪しいから僕でも雇いたくないですよ…。

──携帯電話は端末もないですか?

森:端末はあるんですけど、解約しているので使えないです。

──新規契約はできそうですかね?

森:昔30万円くらい滞納したんで、新規契約できるかはグレーゾーンですね。

──なるほど。うちでは携帯電話がなくてもご紹介できる仕事もあるんですけど、携帯電話を新規契約できるかっていうのを一度確認するといいかもしれませんね。できなかったら、プリペイド携帯っていうそれほど高くない携帯電話もあります。それで求人に応募したり、会社さんと連絡が取れるようにしておくといいかなって思いましたね。

身分証は、名前が分かるものは全くないですか?

森:国保の保険証はあります。マイナンバーカードは申請中です。

──マイナンバーカードは申請中なんですね。キャッシュカードはありますか?

森:キャッシュカードはあります。

──ちなみに住民票は寮の住所に置いてあるんですかね?

森:寮の住所に移したと思うんですけど、ちょっと分からないです。

──東京に移したかは覚えていますか?

森:えっと…あ!東京には住民票を移しました。

──東京にはあるんですね!住民票やマイナンバーカードも役所に行って確認しておくといいと思います。

森さんの場合は、身分証は名前が確認できるものもいくつかあるので何とかなる気がしますけど、緊急連絡先がないことと携帯電話が使えないことが、家や仕事を探す上でのハードルですね。

うちではそういう方にも寮付きのお仕事をご紹介しているので、この後求人を案内させてもらいますね。

森:今の状況だと仕事も家もなかなか見つからないので、助かります。ありがとうございます。

──こちらこそ、ここまでお話をお聞かせいただいてどうもありがとうございました。

後日談

インタビュー後、森さんに謝礼の3,000円をお支払いし、お仕事のご紹介もさせていただきました。

ご本人からは今のところ連絡がありませんが、「連絡がないのは無事だから」と信じています。

新たな道を歩めていることをスタッフ一同祈っています。

森さん、お悩み買取をさせていただきありがとうございました。

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